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柔道整復師の業務

 

 柔道整復は、柔道の治療術を起源としています。その修行や鍛錬の過程で生じた骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(筋、腱の損傷)等の負傷者を治療していたのを始まりとします。このような歴史を持つ仕事であり、現在も先の負傷者の治療が中心の業務です。ことに打撲、捻挫、挫傷、骨折、脱臼の整復技術とその専門性にかけては西洋医学と並ぶ信頼をうけており、地域医療を支える存在です。一般的には、骨接ぎ、整骨師などとしても知られ、町で整骨院、接骨院、ほねつぎという看板を見かけたならば、柔道整復師が独立開業していると考えてよいでしょう。

 

では、怪我別にその手当に関して、見ていきます。

①骨折

骨が折れた状態を言います。手足の骨のほかに、肋骨(あばらぼね)が折れた場合などに、柔道整復師が手当てを行います。

ただし頭の骨、背骨、骨盤の骨折など、重症度の高いものは、整形外科のお医者さんに任せます。

骨折した患者さんに対して柔道整復師は、折れてずれてしまった骨を正しい位置に戻して、骨がくっつくまでの間、ギプスなどの固定材料で固定を行います。

②不全骨折

骨にヒビが入ったものを指します。不全骨折も骨折と同様に、骨が損傷したものです。柔道整復師は、手足の骨や肋骨などの不全骨折に対する手当ても行います。

③脱臼

関節がはずれた状態を言います。部位としては、肩、ひじ、あごの関節がはずれた手当てが多いです。子供の手が抜けたのも、これに含まれます。

脱臼の手当ては、その場ですぐ元の状態に戻すことができるのが特徴的です。

ただし、手当てと同時に、はずれた関節を元の状態に戻すことはできても、完全に治るまではもう少し日数を必要とします。

④亜脱臼

脱臼は、関節が完全にはずれた状態を言います。それに対して亜脱臼は、完全にはずれるまでには至りませんが、少しずれた状態を指します。

亜脱臼の状態にある関節は、動かすことはできても、違和感があったり、関節の動きに制限が起こったりします。

⑤捻挫

捻挫は、関節を止めているスジを傷めたことを言います。関節は身体のあちこちにあって、ちょっとした力で傷めますから、柔道整復師が行う手当ての中では最も多いものと言えます。突き指も一種の捻挫です。

⑥打撲

打撲とは、打ち身のことです。身体の一部をどこかにぶつけ、内出血を起こした場合がそれです。軽い打ち身であったら放っておいても治りますが、中にはなかなか治らない打ち身もあります。

⑦挫傷

アキレス腱が切れた場合など、筋肉などのスジを伸ばしてしまったり、切ってしまったりというふうに傷めた場合も、柔道整復師は手当てを行います。

以上となります。

ただし、上記に述べた骨折、不全骨折、脱臼については柔道整復師法によって制約があり、原則としてこれらの手当てを行う場合には医師の同意が必要となります。外科手術および薬品の投与も禁じられています。

しかし、応急手当が必要とされる場合は例外的に、医師の同意を得なくても手当てを行うことができます。

なお、この医師の同意とは、「この怪我については、柔道整復師が手当てを引き続き行っても大丈夫」というものです。

 

 次に、活躍の場という点から見てみます。近年はスポーツ人口の増加や高齢化社会の進展により、柔道整復師の活躍の場は拡大しています。

①接骨院・整骨院

柔道整復師の職場としてもっとも多いのが接骨院や整骨院です。ここで、接骨院等の臨床現場で整復技術や、患者とのコミュニケーション等を学びます。接骨院や整骨院で働く柔道整復師は、さらに柔道整復師に与えられた独立開業権を生かして、自分が接骨院や整骨院を開業して患者さんの治療に当たる開業柔道整復師と、誰かが開業している接骨院や整骨院に勤めて患者さんの治療に当たる勤務柔道整復師に分けられます。独立の場合は、35年の経験をつんだ後、独立する方が多いようです。

②整形外科をはじめとする医療機関

整形外科のリハビリテーション科などに勤務して、患者さんのリハビリテーションなどに携わります。近年までは、勤務柔道整復師のもっとも多い職場であったのが整形外科のリハビリテーション科でした。ところが近ごろでは、接骨院や整骨院に勤務する柔道整復師や、内科など整形外科以外の医療機関に勤務する柔道整復師も増えてきました。

③介護保険関連施設

柔道整復師には介護保険法上、機能訓練指導員という資格が与えられます。この資格を用いて、介護老人保健施設やデイサービス施設と呼ばれる介護保険関連の施設に勤務して、介護が必要となった高齢者の人たちに筋力強化をはじめとする機能訓練指導を行います。また、柔道整復師としての実務経験が5年以上あれば、介護支援専門員という資格を取得できます。この資格を取得して、柔道整復師としてではなく介護支援専門員として介護支援事業所に勤務する柔道整復師もいます。中には、整骨院とデイサービスを併設している施設もあります。

④スポーツ関連施設

スポーツジムなどに勤務して、ジムにやって来た人たちのトレーニング指導を行います。ウエイトトレーニング(ボディビル)などに興味を持って専門知識を高めた柔道整復師が勤務しています。このような指導を行う柔道整復師の多くは健康運動実践指導士という国家資格も取得しているようです。

⑤健康関連施設

クイックマッサージのお店などに勤務し、マッサージ治療を行います。このような健康関連施設に勤務する柔道整復師の多くは、鍼灸師(はり師・きゅう師)の資格も持っているようです。

⑥プロスポーツチーム

プロ野球球団などプロスポーツチームに所属し、選手のケガの治療やトレーニング指導を行います。一般的に、トレーナーと呼ばれる職業です。スポーツ施設や競技スポーツの現場では、柔道整復の技術はもちろんのこと、アスリートに合わせたトレーニングプログラムの作成、運動療法の指導が求められています。

⑦教育機関

柔道整復師養成施設(柔道整復師の学校)の先生です。柔道整復師になろうとする人たちを教育します。なお、柔道整復師の学校で先生になる場合は、柔道整復師専科教員免許という免許が必要となります。専科教員免許を取得するためには柔道整復師としての実務経験を3年以上積み重ね、教員になるための講習会を受講して修了試験に合格する必要があります。また、この講習会を受講するためにも試験があります。

⑧その他

 研究分野に携わる方もいます。大学院進学や各種研究機関などへの勤務です。

 

以上のようになりますが、柔道整復師人口が増えてくるのに伴って柔道整復師が職場として活躍する場所も、いろんな方面に増えてきたようです。

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